自ら声をあげて挑戦したICT施工「間違ってなかったと思えた」
―初めてICT施工に取り組まれたときは社内への働きかけから始まりましたよね。このときはどんな思いがありましたか?
まず基本的な考え方としては「会社として新しいことへのチャレンジ」というところです。ちょうど試行工事があったので、ICTサポートを含めたチャレンジとして、自分が先頭を切って色々進めていければ、というのが始まりでした。
あの時は、会社の雰囲気として「まだICT施工は…」というものもあったので、まずは自分が講習を受けに行ったり勉強したりして、ICT施工に関する知識を得て上層部に掛け合っていきました。
運よく協力会社様が建機を導入したことや、弊社でも補助金を使って快速ナビを購入したことが取っ掛かりになって「これは便利だ」「生産性の良い効率的なものだ」と社内の空気も変わっていきました。
大変さもありましたが、会社からも理解を得て進んでこられたと思います。

―熱意が伝わったのと、タイミングが味方した部分もあったわけですね。そういえば初めての現場が終わった当時、「ICT施工でなければ間に合わなかった」と仰っていましたね。
1現場目(築堤護岸工事)は本当にギリギリでした。残り2か月くらいのところでバタバタと盛土をして、そのあとブロックを施工して…。工程的にもあちこち触っていたらなかなか終わりませんでした。限られた期間の中で効率よく生産性を高められるという点で、ICT施工が本当にハマった現場でしたね。
▼永井建設様 ICT施工実績(1現場目)
https://kensetsu-ict.com/works/217/

―2現場目も難しい現場でしたよね。
2現場目(道路改良工事)では掘削が多かったんですよね。掘削のICT施工は初めてだったので、3次元設計データを何度も確認し、TSでも確認しながら慎重に慎重に行っていました。
結果的に高い精度で終えることができて安心しました。
▼永井建設様 ICT施工実績(2現場目)
https://kensetsu-ict.com/works/251/

―永井建設様のICT施工は私たち(ストラテジクスマネジメント株式会社:建設ICT.comの運営会社)としても毎回サポートをさせていただいていますが、その精度の高さにはいつも驚かされます。鎌田課長は3現場でICT活用工事を経験されてきましたが、ここまでの挑戦を振り返っていかがですか?
3現場目は施工開始前の2週間くらいで起工測量やデータ作成などのサポートをしてもらいましたよね。バタバタしましたが、過去2現場である程度の要領が分かっていたのですんなり準備ができたかなと思います。
3つ全ての現場で高い精度を出せたので、「自分のやってきたことは間違ってなかった」と自信を持つことができました。
私はもともと数字に強く、測量や丁張は得意分野だったこともあり、ICT施工は大変興味の沸くカテゴリーでした。「発注者指定型」という発注方式ではありましたが、私としてはやらされている感はなく、むしろ率先してやりたいと思っていました。
▼永井建設様 ICT施工実績(3現場目)
https://kensetsu-ict.com/works/270/

今後は次の世代の社員にバトンを繋いでいきたい
―永井建設様の中ではICT施工に対応できる方が鎌田課長以外にも育ってきていると感じるのですが、ご自身として今後について描かれているビジョンはありますか?
今までの現場でICT施工の要領がある程度分かってきました。これからはできるだけ次の世代の育成に移って、サポートするようなポジショニングで携われたらと思っています。
現在進行中の現場(4現場目)では、2現場目で一緒にICT施工を行った者が責任者となっています。このように、ICT施工を理解して責任を持って取り組める社員をもっと増やしていきたいです。
いずれは測量を含めて自社で100%対応できるようになれば一番いいと思います。まだ発展途上中なのでいつか先進企業に名を連ねることが出来るように、少しずつステップアップしていきたいです。

―永井建設様として内製化をしていきたいという思いもあるということですね?
そうですね。施工管理という部分では、私たちも色々な現場の経験があるのでICTを教えてもらいながら分かってくると思います。3次元測量はまだ自社ではできませんが、ドローンを飛ばせる社員は複数いるので、ゆくゆくはドローン測量ができたらいいなとも思っています。
3次元データ作成については、弊社でもデータ作成ソフトウェアを導入しました。ICT施工がどういうものか、何をしないといけないのか、何を準備するのか、というところが分かってくると、私たちが培ってきた感覚がデータに反映されているかということをチェックすることが大切になってきます。
オペレーターはデータに合わせて作業をするので、面倒くさくてもこのチェックは必要です。そのときに色々なデータが作れるようになればもっと面白くなるのではないかと思います。

初めてICTに取り組む企業様には「ぜひ総合マネジメントを推奨します」
―鎌田課長が初めてICT施工に挑戦された現場では弊社の総合マネジメントを活用していただき、これは中国地方整備局のサポート制度を初めて活用した事例でもありました。総合マネジメントを受けてみて、どのような効果があったとお考えですか?
ICT施工を行うときは施工計画書を出す前に、「この範囲・この数量でICT施工を実施します」という協議書を出さなくてはいけません。この協議書作成の時点で、初めての時は分からないんです。
総合マネジメントを受ければ、1から100まで教えてもらうことができます。ICT施工を初めてされる方や、まだ件数を経験されていない方には、ぜひ総合マネジメントを活用していただきたいと思います。
弊社では、最初に総合マネジメントを受けた私が慣れてきたところで次の世代の社員にレクチャーして、私のレクチャーを受けた者がさらに次の世代にレクチャーしてという流れで、知識やノウハウが徐々に社内に浸透してきています。
総合マネジメントはぜひ推奨させていただきます。

―これからICT施工に取り組もうという企業様もまだいらっしゃいますが、全国の建設会社に向けてメッセージをいただけますか?
会社によって状況は違うと思いますが、ICT施工はやはり効果があるので挑戦していただきたいです。そしてそのときはぜひ総合マネジメントを活用していただけたらと思います。ICT施工に関する知識やノウハウを勉強することができるので、学んで自分のものにしていただきたいです。
いずれは無人施工・遠隔施工だったりAIを使ったり、人がいない状態で重機だけが動いているという時代になっていくと思います。いかに品質の良いものを作り上げていくかという中で、うまくICT技術を活用できたら面白いですよね。仕事だから取り組まないとというのもありますが、楽しんで仕事ができたらいいと思います。
「会社として挑戦しなくては」と声をあげてから総合マネジメントやサポートを受けながら経験を積まれて約5年。いまでは次の世代、また次の世代と知識・ノウハウが受け継がれているというお話が印象的でした。
永井建設様、鎌田課長のご活躍がこれからも楽しみです。ありがとうございました!
総合マネジメントでは実際の現場を使って助言・技術的指導を提供することで、実践的なICT施工を最短で学んでいただくことができます。ICT施工を始めたい方、取り組み始めたばかりの方は、ぜひお気軽にお問合せください。