はじめに
いよいよ「小規模を除くすべての公共工事においてBIM/CIMを原則適用する」と言われてきた2023年度を迎えました。
すでにBIM/CIMを導入している、または導入を検討されている建設会社も少なくないのではないでしょうか。
そこで今回は、BIM/CIMには無くてはならない重要な要素である「3次元モデル」について解説していきたいと思います。
3次元モデルとは
3次元モデルとは、対象とする構造物等の形状を3次元で立体的に表現した情報のことをいいます。
これまでは2次元で表現された情報をもとにイメージしていたものが、3次元で立体的に表現されていることで誰でもイメージを共有しやすくなります。
ICT施工でよく使われる「3次元データ」とほぼ同義と捉えてよいでしょう。
3次元モデルを活用することで、建設現場の品質と生産性の向上が期待されます。
▽参考コラム
3次元設計データとは?作成方法は?よくわかるICT施工用語解説⑥【3次元設計データ】
3次元モデルとBIM/CIMモデル
BIM/CIM関連の業務や工事では、BIM/CIMモデルというデータも使用します。
BIM/CIMモデルとは、3次元モデルと属性情報の2つから構成されたデータです。
属性情報とは、3次元モデルに付与する部材(部品)や部材等の名称、形状、寸法、物性及び物性値(強度等)、数量、そのほか付与が可能な情報のことをいいます。
3次元モデルはBIM/CIMモデルの構成要素であり、単に「3次元モデル」と表現される場合は、属性情報の有無は問わないとされています。よって、2つのデータは少し違う意味を持つことになります。
3次元モデルのモデリング手法
対象とする構造物等の形状を3 次元で表現するためのモデリング手法には、ワイヤーフレーム、サーフェス、ソリッド等があります。
ワイヤーフレーム
線分のみで物体を表現する手法です。
物体の表面や中身の情報を持たないので、干渉チェックや数量算出等はできません。
そのため、BIM/CIMでは通常用いられないデータです。
サーフェス
表面のみで物体を表現する手法です。
多くの点を3次元上の直線でつないで三角形を構築するTINや四角形を構築するメッシュ等で表現されます。
地形や出来形形状などの表面形状を、3次元座標の変化点標高データで補間する最も一般的なデジタルデータ構造です。
ソリッド
サーフェスが物体の表面のみを表現しているのに対して、 ソリッドは物体の表面と中身を表現する手法です。
中身の詰まった体積情報を持っているので、データ単体で数量算出が可能で、物体同士の干渉を見ることもできます。
一般的に、地形にはサーフェス、構造物には体積が求められるソリッドが利用されています。
今回はBIM/CIMにおいて無くてはならない「3次元モデル」について解説しました。
2023年度から「小規模を除くすべての公共工事においてBIM/CIMが原則適用」となり、対応を求められる機会も増えてくることでしょう。
当サイトでは、BIM/CIM関連やICT施工関連の基礎知識や現場で得られた情報などを発信しています。
これからBIM/CIMを導入される予定のある方やご検討中の方はぜひご参考ください。
▽あわせて読みたい
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