点群データとは?点群の取得方法は?よくわかるICT施工用語解説⑤【点群データ】

はじめに

近年、公共工事ではICT活用工事はもちろんのこと、BIM/CIM活用工事の発注もどんどん増えています。

地表面の計測だけなく、構造物を点群データで3次元化するといった活用もできることから、点群データの利用用途や活用範囲は広がっています。

今回はそんな「点群データ」について、点群の取得方法やデータ化した後の活用の流れなど解説していきます。

点群オリジナルデータ

点群データとは

点群データとは、UAV写真測量、地上レーザースキャナー等による 3 次元測量によって得られた 3 次元座標を持った点の集合で、「点群」と呼ばれることもあります。

一つ一つの点には位置情報(X,Y,Z)を含んでおり、デジタルカメラ機能を併用した計測機器で取得した点群には色情報も追加されます。

ICT活用工事の出来形管理においてルールブックともいえる国土交通省の「3次元計測技術を用いた出来形管理要領(案)」では、要領化されている3次元計測技術のうち、多点計測技術を用いて計測したものを計測点群データと定義しています。

三次元計測技術の分類
 引用:国土交通省 「3次元計測技術を用いた出来形管理要領(案)」より抜粋して掲載

点群データの取得方法

本コラムでは点群データの取得方法を、先に述べた「3次元計測技術を用いた出来形管理要領(案)で規定される計測技術にあわせてお伝えします。

1.レーザースキャナー

光波測距技術であるレーザースキャナーは、計測対象物にレーザーを照射し、反射してきたレーザー光の位相や往復時間を観測することで、正確な距離を計測できるものです。出来形管理要領では、そのレーザースキャナーを搭載する機器にあわせて次の3つに分類されています。

地上型
地上型の撮影例
引用:国土交通省「地上型レーザースキャナーを用いた出来形管理の監督・検査要領(土工編)(案)」より抜粋して掲載
無人航空機搭載型
無人航空機搭載型の撮影例
引用:国土交通省「無人航空機搭載型レーザースキャナーを用いた出来形管理の監督・検査要領(土工編)(案)」より抜粋して掲載
地上移動体搭載型
地上移動体搭載型の撮影例
引用:国土交通省「地上移動体搭載型レーザースキャナーを用いた出来形管理の監督・検査要領(土工編)(案)」より抜粋して掲載

2.写真測量

写真測量技術を用いて行う計測には、無人航空機(UAV)による空中写真測量と地上移動体によるステレオ写真測量の2種類があります。

この写真測量というのは、計測対象を異なる位置から撮影した複数の写真を用いて、3次元形状復元作業を行うことで3次元座標値を含んだ点群データを取得する方法です。

3次元形状復元とは、SfM(Structure from Motion)ソフトという写真解析ソフトを使って写真から点群化するための作業のことを言います。

また、地上移動体というのは建設機械と考えるとイメージしやすいのではないでしょうか。

ICTバックホウに2台のステレオカメラを設置し、撮影した写真から専用ソフトを使って地形を3次元点群化することができます。その点群データを出来形部分払いの数量算出に利用できるサービスを提供している建機メーカーさんもありますね。

無人航空機(UAV)による空中写真測量のイメージ
無人航空機(UAV)による空中写真測量のイメージ

3.その他

その他には、施工履歴データと音響測深器があります。

施工履歴データとは、ICT建機による施工中に、その作業装置の軌跡から記録された3次元座標データを指します。

音響測深器とは河川浚渫工が適用工種で、測量船に取り付けられた計測機器から音波を発信し、水底で反射されて戻ってくるまでの時間を測定することにより地形までの水深を計測することができる装置です。

施工履歴データを用いた出来形管理
施工履歴データを用いた出来形管理

点群の処理方法

では、これまで述べたような多点計測技術により計測した点群は、そのまま利用することもできますが、1点1点に座標や色情報をもった大量の点で構成されるデータですから、それが集まった点群となると膨大なデータ容量になることは簡単に想像できます。

そこで、その後の作業で使用しない、または出来形とは関係ない不要な点(樹木や草木、仮設構造物など)を削除します。また、データの間引きによる点群密度の変更も可能です。

あわせて、出来形評価用データとしては、点群密度の変更のほかに、内挿により格子状に加工をするグリッドデータ化を行います。

このような点群データの処理は点群編集ソフトを使って行いますが、要求される点群密度や変更方法は出来形管理要領の規定通りに実施する必要があります。

点群データ編集のイメージ
点群データ編集のイメージ

まずは現場を点群化

ICT施工に関わらず、計測対象物を点群化するメリットは計り知れません。

わたしたちはICT活用工事のサポート事業を行うにあたり、現場監督さんとご一緒する機会が多いのですが、ICT対象工事であるかどうかは関係なく、自分の担当する現場では必ず現況を点群化するという方がいらっしゃいます。

理由は簡単、現場で行うあらゆる作業に必要なのが「位置出し」ですから、1点1点に座標を持った計測点群データに魅力を感じずにはいられないのでしょう。

パソコン上で現場を計測できるなんて、こんなに楽なことは無いといったところでしょうか。

今回ご説明した点群データの活用工程はICT施工ならではの工程ですが、この現場監督のように従来施工でも十分に活用できるものです。

点群データを取り扱う際には、計測精度の管理や専用ソフトの使い方など、事前に知識を身に着けておくことも必要です。

当社ではICT活用工事を始めとする建設ICT化のお手伝いをしておりますので、ご興味がございましたらお気軽にお問い合わせください!

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