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地上型レーザースキャナーを使ってICT活用工事の3次元測量を内製化したい方へのおすすめ方法

ICT施工の実績がある建設会社の中で、はじめは3次元測量を外注していたけれど、そのうち自社で内製化し始めたというところをよく見かけます。

3次元設計データ作成の内製化に比べると、現場で対応できる測量作業の方が比較的取り組みやすいのでしょう。

今回のコラムでは、地上型レーザースキャナー(以下、TLS)を使ってICT活用工事の3次元測量の内製化を検討中の方や、すでに内製化はしているが課題があるという方に、内製化にあたっての留意点とおすすめの方法をお伝えします。

測量の内製化には地上型レーザースキャナーが最適!?

ICT活用工事で行う3次元測量と言えば、ドローン測量をイメージする方が多いのではないでしょうか。

実際に、測量用ではないけれど現場管理のための空撮用に、すでにドローン導入済みの会社もよく見かけます。

ところが、ドローンの産業利用には注意が必要で、法規制の厳しさや操縦技能の維持、安全性を考えると、ドローンによる測量を内製化するのは、空撮利用に比べると少しハードルが高くなります。それゆえ、3次元測量の内製化にはTLSの方が導入しやすいようです。

TLSが内製化に向いている理由

風速はあまり気にしなくていい

ドローンはカメラを搭載した無人の航空機です。そのため、強風や突風の恐れがある気象条件での飛行には十分注意が必要です。一方、TLSは地上に設置して計測ができるため、ドローンほど風速は気にしなくても良いと言えます。

器械設置はトータルステーション(TS)と同じ

TLSは測量用三脚にレーザースキャナーを設置して計測します。器械設置の方法はTSと基本的に同じですので、日頃現場でTSをよく使われるようであれば、全く不慣れな機器を取り扱うわけではないので、導入しやすくなります。

レーザー照射後に点群取得ができる

ドローン測量には、空撮した画像を専用ソフトで解析して点群化するという作業が必要ですが、レーザー測量の場合、レーザー照査後にすぐに点群化されるため作業工程が一つ少なくなります。その場ですぐに点群を確認できるのも大きなメリットです。

このような理由から、TLSは現場を点群化するには比較的有効な測量ツールになり得ます。ただし、高価な測量機器ですので、気軽に購入というわけにはいかないのが正直なところ。
最近では、操作性の向上や小型化されたものなど、各社から様々な機種が販売されており、市場への流通量増加も相まって、i-Construction取り組み発表当初に比べると、低価格帯のものも登場しています。
ICT施工の導入に関する補助金などの制度を活用すると、高価なTLSも購入しやすくなります。

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報告書提出が必要な精度確認試験

ICT活用工事でTLS測量を行う際には、計測機器の精度確認試験結果を報告書として提出する必要があります。精度確認試験の実施や報告書作成についても、内製化されるようであれば自社で対応することになるでしょう。

精度確認試験は利用前12か月以内に実施されたものが有効で、その後の現場計測では精度確認された距離以内での測定が条件になります。

精度確認試験の詳しい内容は別コラムで解説していますので、あわせてご参考ください。


 【ICT活用工事での精度確認①】地上型レーザースキャナーの精度確認試験とは

現場にあった計測機器の選択が肝

内製化にはTLSが適しているといいつつも、もちろん現場によっては不向きなこともあります。

計測対象範囲にまんべんなくレーザーを照射して点群を取得するためには、TLSの設置場所や回数を考慮する必要があります。

特に起工測量の際には、施工前の整形されていない現場での作業になるため、TLSを水平に設置して漏れなく点群を取得するにはひと苦労します。

そうなると、数十分の飛行で空撮ができてしまうドローンの方が、広範囲かつ複雑な地形の現場には適していることもあるのです。

結局、内製化は難しいのでは?

せっかく高いTLSを購入したものの、うまく精度が出せない、提出書類の内容があっているのかがわからない、作業効率をもっと上げたいなど、課題を抱える建設会社様には建設ICT.comの「オンライン総合マネジメント」がおすすめです。

オンライン総合マネジメントとは?

当社のi-Constructionスペシャリストが現場に寄り添い、ICT活用工事をサポートします。実際の現場を経験しながら、ICT施工に関する必要な知識や技能を習得することができます。

  • 正解が解らず内製化に苦労している
  • イレギュラー発生時の駆け込み寺が欲しい
  • 初めてのICT施工現場で不安

そんな方にオンライン総合マネジメントをご活用いただいています。

もちろん、直近の応札予定はないけれど、今後に備えて人材を育成しておきたい建設会社様にもご利用いただいています。

まとめ

屋外作業の一品生産が特徴の建設産業。同じ現場は2つとなく、ケースバイケースの臨機応変な判断と対応が求められます。

オンライン総合マネジメントをご利用いただいた建設会社の技術者の方は、次の担当現場から内製化の幅が広がったり、イレギュラー対応の判断スピードが上がったりと、確実にICT施工の対応スキルがアップしています。

令和4年度から国土交通省は、「だれでも」「どんなときでも」ICT技術を活用することを目的に、小規模現場に対応したICT技術の導入を促進しています。ICT活用工事の数は増えることはあっても減ることはしばらくないでしょう。

これを機にICT施工に初チャレンジされる方はもちろんのこと、実績とノウハウを確実なものにして内製化を強化されたい建設会社様は、当社のオンライン総合マネジメントをぜひご活用ください。

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