建設会社等に向けた研修やセミナー開催など、ICT活用拡大に向けた様々な取り組みを行っている全国の地方整備局。
ICT施工に不安を感じて導入に一歩を踏み出せない経営者向けの講習会が、北陸地方整備局、東北地方整備局、四国地方整備局などで開催されていたのをご存じでしょうか。
その中のとあるアンケートをみると、i-Construction取り組み発表から6年が経過する今もなお、ICT施工に一歩を踏み出せない(=踏み出していない)企業がまだまだ多いことがわかります。

ICT施工への取り組みにはある程度の投資(ヒト・モノ・カネ)が必要になります。企業の投資判断は経営者に委ねられるため、わたしたちはICTサポート事業開始当初から建設会社のICT化は経営者と現場の両輪で進めることの重要性を説いてきました。
そんなわたしたちが、このアンケート回答から見えてくるICT活用推進に対する真の課題をズバリお伝えします。
なぜすぐに投資をしないのか
このアンケートにある「時期をみて実施したい」「実施を見送りたい」という回答の理由がこちらです。

いくつかの理由から問題を2つに絞りました。
- リソース問題(人材、機器、費用)
- 様子見問題(受注する該当工事が無い)
令和4年度に新たに追加されたICT小規模現場の基準類や簡易型ICTの発注など、発注者はICT施工の対象条件を年々拡大しています。その目的の一つに、地域の守り手である地方の中小建設企業のICT施工経験数を上げることがあげられます。
ところが、建設現場へのICT技術導入が深刻な人材不足解消への対策であるにも関わらず、特に地方では対応できる人材がいないことでICTに取り組めないというジレンマが発生しています。
費用についても、コスト回収と利益確保のイメージが持てないことが一歩を踏み出せない要因になっているようです。
だからと言って、何の手立ても講じなければ問題は大きくなるばかりです。
ICT施工を実施しないとどうなるのか
令和5年度には小規模を除くすべての公共工事で原則BIM/CIM化が謳われていますが、工事においては設計図書の照査や施工計画の検討に設計3次元モデルを用いることが適用されます。
発注者からくる設計図面が3次元モデルになるのが当たり前になる時、それに対応できないとどうなるかは容易に想像ができるでしょう。
必ず訪れる事象に対して対応するかどうかではなく、いつ対応するのかをしっかり検討する必要があります。
結局のところ、現時点でトップランナーと言われるICT施工に先進的な企業の多くは、i-Construction発表後の早い時期に取り組みを開始しています。
すぐにでも取り組まないと、ますます出遅れるだけではなく、最悪の場合事業の存続に関わると言っても過言ではありません。
ICT施工に対応できる人材は今や引く手あまたですから、業界の流れに敏感な従業員は、自社の方針や環境があっていないと判断すると転職してしまいます。そうなるとますます人材不足に陥ることになりかねません。

結局何から始めればいいのか
リソース問題にしても様子見問題にしても、卵が先か鶏が先かという矛盾に気を取られると適切な判断のタイミングを失ってしまうだけです。
補助金や助成金を使うのも対策の一つですが、今日明日で申請が下りるものではありません。
ICT施工は準備をしていないとすぐには対応できないわけですから、1日でも早くできることから準備を始めていきましょう。
まずは、ICT活用工事の全体像を把握し、それに対する自社の状況や方向性を明確にするために、i-ConstructionやICT施工に関する研修やセミナーの受講をお勧めします。
当社は建設事業者様向けに、専任のi-ConstructionスペシャリストがフルリモートでICT施工の助言、技術的指導を行うオンライン総合マネジメントというサービスを提供しています。
「ICT施工の実績がない」「これから取り組もうとしている」「何から始めていいのかわからない」という企業様でも、ICT活用工事全般の概略理解の知識補充や、ICT施工の各プロセスで施工管理上で必要な概略理解の知識補充がありますので、知識ゼロからスタートすることが可能です。ぜひご活用ください。
ゼロからでも安心。リモートで助言・技術的指導。「オンライン総合マネジメント」
このような準備は、工事を受注する前から始めても決して無駄にはなりません。必ず活かせるタイミングがやってきます。なぜなら、建設工事へのICT技術の導入は避けては通れない国の施策だからです。
まとめ
最後に、このアンケートでは「ICT施工のデメリットは費用が必要」という答えが半数以上を占めていました。

わたしたちはICT施工が進まない最大のデメリットは費用の問題ではなく、ICT施工に取り組まないこと・取り組もうとしないことだと考えます。
組織単位で取り組む必要があるICT施工にとって、いつどこに何を投資するのかを判断するのは経営者です。
トップランナー企業との距離を少しでも縮めるために、出遅れた時間は投資でカバーするしかありません。
その判断が英断になるか不断になるかは経営者次第。地方の建設業界におけるICT施工普及の真の課題は「経営者」なのかもしれません。
※コラム掲載資料 国土交通省四国地方整備局「ICT施工経営者講習会アンケート」より掲載
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