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遠隔化施工の実用化!第7回国際建設・測量生産性向上展(CSPI-EXPO)参加レポート

2025年6月18日(水)~21日(土)の4日間にわたり、「第7回国際建設・測量生産性向上展(CSPI-EXPO)」が千葉県幕張メッセで開催されました。

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今年から開催名称に「国際」の文字を冠しており、会場には海外エンジニアも多く訪れていました。

開催規模は過去最大であり405社、2,765ブースが出展し、会場は熱気に包まれていました。2025年6月1日から熱中症対策義務化の流れも受けて、熱中症対策に対する配慮も強化しながらの開催でした。

また、初めて土曜日の一般公開も行われ、ご家族連れもたくさん来場されたとのことでした。将来の担い手に対する建設業界の魅力PRの試みも様々なブースで行われていました。

今回のコラムでは、当日の様子を一部ですがレポートいたします。

遠隔化施工の実用化が加速

昨年度までのCSPI-EXPOでは、遠隔化施工に関しては参考出展が多く見られました。今年は各社、実用化レベルでの出展が多く、各建機メーカーを中心にデモンストレーションブースでの実演も強化されていました。

わたしも実際に遠隔化施工デモンストレーションを体験してきました。千葉会場と遠隔地の間を高速インターネット回線で接続しており、個人的な体感としては、建機操作性の遅延はほとんど感じられない状況でした。

コベルコ(遠隔化施工デモンストレーション)
コベルコ(遠隔化施工デモンストレーション)
日本キャタピラー(遠隔化デモンストレーション)
日本キャタピラー(遠隔化デモンストレーション)
EARTHBRAIN(遠隔化施工デモンストレーション)
EARTHBRAIN(遠隔化施工デモンストレーション)

チルトローテーターのICT対応

建機の自動化・遠隔化施工とあわせて、チルトローテーター建機のICT化対応についても、各社訴求強化が見られました。狭小な現場での掘削や小規模土工を想定し、ICT建機の施工の省人化(更なる生産性向上)に向けて、各社技術開発を強化しているのが感じられました。

日本キャタピラー(チルトローテーター対応建機)
日本キャタピラー(チルトローテーター対応建機)
ボルボ建機(チルトローテーター対応建機・電動化建機)
ボルボ建機(チルトローテーター対応建機・電動化建機)

建設機械の電動化、水素燃料化

2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、化石燃料の代替エネルギーとして、建設機械の電動化、水素燃料化の展示も訴求が強まっています。
排ガスを出さない点や騒音が少ない等の特徴をふまえた実現場での活用事例が増えてきている印象でした。

現状は、導入にあたってコスト面での課題も大きいですが、GX建設機械認定制度等の施策推進とあわせて技術開発が進んでいる様子が見られました。

ヤンマー建機(建設機械の電動化)
ヤンマー建機(建設機械の電動化)
コベルコ(建設機械の水素燃料化)
コベルコ(建設機械の水素燃料化)

建設DXの取組み推進(AI、IoTセンサー、デジタルツイン)

また各社ブースでは、建設DX化、i-Construction2.0(ICT施工StageⅡ)などの取組みをテーマに3次元ソフトウェア、3次元計測技術をはじめ、AIやIoTセンサー、ロボット活用など様々な技術ソリューションの展示が行われていました。

建設業界全体でのDX関連の技術開発が着実に進んでいることが感じられる状況でした。

TOPCON(デジタルツイン)
TOPCON(デジタルツイン)
構造計画研究所(ウェアラブル型3Dレーザースキャナー)
構造計画研究所(ウェアラブル型3Dレーザースキャナー)
EARTHBRAIN(建設ロボット)
EARTHBRAIN(建設ロボット)

まとめ

今回は、第7回国際建設・測量生産性向上展(CSPI-EXPO)の様子を一部ですがご紹介いたしました。

2025年度より国土交通省から「ICT施工の原則化(ICT土工・ICT浚渫工)」の方針が示された中、今年のCSPI-EXPOでは、業界の新たな取組み「i-Construction2.0によるオートメーション化:施工・データ連携・施工管理の自動化」等を見据えた最新技術の展示が強く押し出されていました。

今後は、省人化(更なる生産性向上)の取組みに向けて、IoTセンサーによるリアルタイムデータ取得やAI解析による最適化シミュレーションなど、デジタルツインの技術開発・実用化も加速度的に進化していくものと思われました。

最後にわたしの所感として、新たな技術革新が加速する中で大切なことは、
従来からの現場施工の技術力と技能であり、ICT施工の基礎と基本であるとも感じました。

こちらの記事がみなさまのご参考になりましたら幸いです。


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