建設ICT.comでは2021年秋からCPDS講習の提供を開始し、2024年1月からは「オンラインCPDS講習(初級編・中級編)」とシリーズ化して毎月開催してきました。
そしていま、より踏み込んだ内容まで解説する「上級編」を、今年秋ごろを目安にお届けできるように準備しています。
今回のコラムでは、私たちが上級編の作成に取り掛かった背景やその目的をお伝えします。
実際のセミナー内容も一部ご案内しますので、ぜひご一読ください。
ICT施工の標準化に向けた国土交通省の動き
i-Construction2.0やICT施工StageⅡを筆頭に、国土交通省はICT施工の標準化に向けてどんどん歩みを進めています。
建設会社のみなさまも、ICT施工の取組みからは逃げられないことにもうお気づきでしょう。
そんな中でいま求められるのはICT施工について、またそれに付随する政策についてよく理解し、現場で活用できるようにすることです。
まずは、国土交通省の動きの中で大きなものをピックアップしてみたいと思います。
i-Construction2.0
2024年4月に発表されたi-Construction2.0。
施工・データ連携・施工管理の3つの側面から「建設現場のオートメーション化」を目指す取り組みです。
省人化、安全確保、働き方改革などがその目的であり、具体的には、2040年までに省人化3割、生産性1.5倍を目指すとしています。

ICT施工StageⅡ
工種単位での効率化を目指していたStageⅠから一歩進み、ICTにより現場の作業状況を分析し「工事全体の生産性向上」を実現するための取り組みとして進められています。
将来的には「現場全体の効率化」を目指しており、最適化された現場で遠隔化・自動化された施工を行うことを見据えています。

ICT施工の原則化
令和7年度から土工・河川浚渫工においてICT施工の原則化がスタートしました。
これに伴って該当の工種では、施工者希望型の発注の廃止やICTを活用した際の加点措置の廃止、提出書類の一部削減などが行われました。
さらに舗装工・地盤改良工でも令和9年度以降にICT施工を原則化するとの方針が発表されており、対象となる工種は今後も増えていくことは間違いないでしょう。

今求められるのは、現場で役立つ実践的な知識
こうした国土交通省の流れを受けて、わたしたちは2024年1月から毎月オンラインCPDS講習(初級・中級)を開催してきました。
初級編では国土交通省が出す各種要領の読み解き方や、ICT活用工事の流れと各工程の管理項目の基礎を、中級編では3次元モデルやBIM/CIMモデルの処理・活用方法等を深堀りして解説しています。
ICTサポート実績800回を超えるスペシャリストが講師を務めており、ありがたいことに毎月多くの方にご参加いただいています。
しかしここで、国土交通省が建設業のICT化を進めているそもそもの目的を思い出してみましょう。
それは「建設現場における生産性を向上させ、魅力ある建設現場を目指す」ことです。
つまり、どれだけ正確に要領を読み解けても、どれだけ詳細な3次元データを作成できても、それが現場で活用されて生産性向上に寄与できていなければ、その意味は薄れてしまいます。
そこでわたしたちは「より現場で役立つ、実践的な内容」の講習を行うべく、上級編の開講に向けて動き始めました。
パワーアップする上級編の内容を一部公開

ここからは、上級編の具体的な内容について少しだけお知らせします。
上級編は全5回10テーマの講義として作成中です(各回2テーマずつ)。
10テーマ全てを受講していただくことで、ICT施工計画立案から3次元測量、3次元設計、ICT建機施工、3次元出来形管理、ICT積算に至るまで、ICT施工を円滑に進めるために必要な知識を体系的に学ぶことができます。
さらに、みなさまがより深く理解できるように下記のようなパワーアップも予定しています。
初級編・中級編 | 上級編※予定 | |
---|---|---|
内容(工種) | 土工メイン | 土工以外(構造物工など)まで拡大 |
テキスト | 配布なし | 配布あり |
CPDSユニット数 | 4ユニット(3.5時間) | 6ユニット(3時間×2テーマ) |
講義内ではICT施工・BIM/CIMの最新情報にくわえ従来施工の取組みも踏まえてより良いICT施工のポイントをお伝えしていきます。
さらに、数多くの現場サポートで得た知見をもとに、発注者協議やICT内製化についても解説する予定です。
※上級編は現在作成中のため、こちらに記載した内容については一部変更となる可能性がありますのでご了承ください。
カリキュラムを含む、より詳しい情報は随時お知らせしていきます。
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まとめ
建設業のICT化は今後も加速し、それに対応できる企業・人材の需要はさらに高まっていくでしょう。
ICT施工を学ぶことで建設会社としての価値はもちろん、技術者個人としての市場価値もより高いものとなります。
わたしたちは「初級・中級・上級」とシリーズ化してオンラインCPDS講習を提供していますが、ICT施工の現場経験があって基礎は分かっているという方には、上級編のみのご受講もおすすめです。
あるいは現在勉強中という方は、初級編から始めて中級編、上級編とステップアップしていただくと理解がしやすいかと思います。
▼オンラインCPDS講習
https://kensetsu-ict.com/seminar/live/
みなさまからのお申込みをお待ちしております。