ICT建機はオペが嫌がる!? むしろ、できるオペほど乗りたがるという事実【前編】

はじめに

「うちのオペはICT建機に乗るのを嫌がるんだよね。」

ICT施工の現場の声トップ3に入ると言っても過言ではないこのフレーズ。

現場のサポートを行うわたしたちも、耳にタコができるほど聞いてきました。

重機オペレーターは、ICT建機には乗りたがらない。
熟練オペレーターであればあるほど、拒否反応が強い。

ICT施工の花形であるICT建機は、本当にオペが嫌がる存在なのでしょうか?

いいえ、むしろ逆で「できるオペ(熟練オペ)ほど乗りたがる」という事実を、実例をもとに紹介します。

職人気質な重機オペレーター

バックホウ、ブルドーザー、転圧ローラーなどの建設機械を操作する重機オペレーターという職業は、建設現場にとって無くてはならない存在の一つです。

どこの現場でも需要の高い重機オペレーターですが、資格だけではなく、経験と技術が問われる職種でもあります。

熟練者ほどその技術は高く、オペレーターと言えば「ザ・職人」というようなイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

実際、オペレーター歴何十年というような、ベテラン中のベテラン、重機乗りの重鎮のような方々は、数t~数十tクラスの大型重機をまるで自分の手足のように扱い、全く無駄のない挙動で流れるように作業を実施されます。

技術の高いオペレーターというのは、建機ごとの癖や作業動線、土質など、現場を構成する様々な外的要素と、内的要素である長年の経験から培われた自身の技術や考え方を融合させて作業を行うことから、(良い意味で)独特の「感性」を持ち合わせた方が多いのではないかと感じます。

回りくどい表現になりましたが、要は「センスとこだわりがある人」ということです。

どんな業界でも、「職人とは、確固たるセンスと独自のこだわりを持つ人」と言っても過言ではないと思いますが、そう考えると、重機オペレーターに職人気質の方が多いのも納得します。

オペレーターの作業効率は、現場の工程に大きく影響します。

そんな職人気質なオペレーターがもし「ICT建機での作業を嫌がる」となると、ちょっと悩ましいですよね。

ではなぜ職人気質のオペレーターはICT建機を嫌がるのでしょうか。

重機オペレーターがICT建機を嫌がる理由

実際にわたしたちが現場で聞いた数々の声をもとに、ICT建機が嫌われてしまう理由3つを独断と偏見で発表したいと思います。

  1. 勝手に止まったり、ピーピーうるさくてやりにくい(機械にどうこう言われたくない。)
  2. 画面に表示された設計ラインを見ながらの操作に慣れていない(スマホと同じタッチパネル操作に戸惑いがある。)
  3. 自分で好きに操作した方が作業が早い(自分の勘と技術で十分対応できる。)

いかがでしょうか。皆さんの現場でも同じような意見を聞かれたことがありませんか?

乗ってみてわかったICT建機の魅力

前述のように、特に熟練のオペレーターさんから嫌われてしまいがちなICT建機ですが、渋々ながらも実際に何度か乗るようになると、当初と180度違った反応が返ってきます。これもまたICT建機の特徴です。

それでは、現場でわたしたちが聞いてきた声をもとに、オペさんが「乗ってはじめてわかったICT建機の魅力」3点を、これまた独断と偏見で発表したいと思います。

  1. 動きに無駄がなくなる(作業効率UP)
  2. いちいち建機から降りて確認しなくていいから楽(危険度も減るし、エアコンが効いている車内にいられて楽ちん。)
  3. イメージが形になるプロセスの最先端にいるというやりがいを感じられる(3次元データを形にするのは、やっぱり現場にいる俺たち。)

この反応が出るようになると、目に見えて施工現場や社内に活気が生まれ始めます。

いかがでしたでしょうか。

ぜひ皆さんの現場でもお役立てください。

次の後編では、実際の現場で体験した重機オペレーターさんのICT建機にまつわるエピソードを3本立てでご紹介します。ぜひご一読ください。

【参考】ICT建機について簡単解説

最後に、ICT建機と従来施工の建機の違いを簡単にご紹介します。

ICT建機の2大特徴と言えば、「MC(マシンコントロール)とMG(マシンガイダンス)」です。この2つの機能が付いていることが、ICT建機と従来建機の大きな違いになります。

MC(マシンコントロール):自動制御

自動追尾式のTSやGNSSなどの位置計測装置を使って、ICT建機の位置情報を計測しながら、施工する個所の設計データと現況地盤データとの差分を算出して、バケットや排土板の高さや勾配を自動で制御(コントロール)するシステムです。設計ラインを超えた操作をしようとすると、自動でバケットや排土板がストップします。

MG(マシンガイダンス):操作補助

自動追尾式のTSやGNSSなどの位置計測装置を使って、ICT建機の位置情報を計測しながら、施工する個所の設計データと現況地盤データとの差分を算出して、オペレーターに情報を提供するシステムです。
操作は従来通りオペレーターで行いますが、設計ラインとの差異や合致状況を音声で通知するなど、操作を補助(ガイド)してくれます。

ICT建機
ICT建機

なぜ、自動制御や操作補助ができるのかは、前述の通り、GNSSなどの高度な測位システム、コンピュータ制御や3次元データなど、ICT(情報通信技術)を活用することで可能になります。これがまさに「ICT施工」なのです。

後編に続きます。

ICT建機はオペが嫌がる!?ICT建機にまつわる3つのオペストーリー【後編】

関連記事

ICT建機の測位システムを選定する際のポイント【ICT施工実務シリーズ④】

ICT建機選定のポイント【ICT施工実務シリーズ⑤】

さらに深堀りして学びたい方向けの
オンラインセミナー開講!
オンラインセミナー/i-Construction大学

現役のi-Constructionスペシャリストが、ICT施工の詳細を2時間の講義でしっかり深堀り解説。 講義は毎回異なるテーマで開催。オンライン(Zoomなど)で気軽に参加できます。

CPDS(継続学習制度、2ユニット)の代行申請にも対応。学習履歴と進捗を確認しながら着実にステップアップしていくことができます。

次回開催 【オンラインセミナー】
i-Construction大学

[ICT土工現場の状況にあわせた3次元計測技術選定の基礎理解]
受付中 2021年10月27日 (水) 14:00〜16:00 (あと7日で締切)

令和3年度より大幅な再編が行われた「ICTの全面的活用」を実施する上での技術基準類「3次元計測技術を用いた出来形管理要領(案)」。その中から、ICT土工の現場で選択されることの多い「空中写真測量(無人航空機)」と「地上型レーザースキャナー」を基に3次元計測技術を用いた出来形管理の基礎を解説します。事例を交えた解説のため、現場状況にあわせた計測技術選定の基準や留意点を理解することができます。

カリキュラム:
14:00〜 3次元計測を用いた出来形管理要領(案)の構成
14:30〜 UAV空中写真測量と地上型レーザースキャナーによる出来形管理の特徴
15:00〜 現場状況に応じた計測技術選択の留意点
16:00 閉講
吉田 なぎさ
講師: 吉田 なぎさ
JUIDA無人航空機操縦技能者 / i-ConstructionスペシャリストRM協会認定UAVアドバンスドマイスター / 車両系建設機械(整地等)運転技能者
待ったなし!でも、まだ間に合う! 建設ICT.comのサポートなら安心してICT施工に取り組めます。

i-Construction施工のことなら
お気軽にご相談ください。

豊富な知見とノウハウで建設企業様の
ICT施工を強力にサポートします。