GNSSって何?実際にどのように測位する?よくわかる ICT用語解説③GNSS

はじめに

ICT施工で切っても切り離せないのがGNSS。ICT施工における測量やICT建機のMG(マシンガイダンス)、MC(マシンコントロール)に活用されていることは知っていても、実際どんなもので、どうやって位置を測っているのかはあまり知られていません。
今回はそんなGNSSについて解説します。

GNSSとは

Global Navigation Satellite System(汎地球測位航法衛星システム)の略称で、人工衛星からの信号を用いて位置を決定する測位システムの総称です。
現在地球の周りには各国の人工衛星が数多く飛んでいます。アメリカのGPSが有名ですね。そのほかにもロシアのGLONASS、ヨーロッパ連合のGalileo、日本の準天頂衛星(みちびき)といった様々な人工衛星がありますが、それらをまとめてGNSSと呼ぶのです。

私たちが普段よく目にするカーナビやGoogleマップなどの地図アプリ、建設業の他にも農業などで幅広く活用されています。

では実際にどのように測位しているのでしょうか。

人工衛星イメージ

GNSS測位の仕組み

GNSS測位では4機以上の測位衛星から電波を送り、地上の受信機に届くまでの時間差を用いて、位置情報(x,y,z)を取得します。
「受信機」と「測位衛星」との距離をそれぞれ計算し、それぞれの距離が1つに交わる点を割り出すことで、観測点の位置情報を特定する仕組みです。

衛星から送信した電波には「送信した時刻」の情報が入っており、「受信した時刻」との差を出せるようになっています。この差を「電波伝搬時間」と呼び、「電波伝搬時間」×「電波の速度」で距離を求めます。

しかし、受信機の時計や衛星の軌道にはわずかに誤差があるため3機の衛星だけではズレが生じてしまうのです。そこでその誤差を修正するために4機以上の衛星を運用することが原則となっています。

衛星受信イメージ

GNSSを施工に取り入れるメリット

GNSSを施工に取り入れるメリットは大きく2点あります。

1.効率化を図ることができる

工事現場内に基準点を設けて測量する場合、一般的に国道沿いなどにある既設の基準点や山の上の三角点から基準を移設します。しかし、トータルステーションなどを用いた従来の測量では、現場と基準点の距離が離れれば離れるほど誤差が大きくなり、測量日数がかかるため費用が増大してしまいます。

GNSS測量は、直接衛星からの電波を受信・測位するため、上記のロスがありません。また、ネットワーク型RTK法での測量であれば、新点のみの観測となり大幅に効率化が図れ、高精度・短工期・省コスト化が可能になります。

2.天候に左右されない

従来の測量では天候などにより精度が大きく左右され、悪天候の際には観測ができない場合もありました。しかし、GNSS測量なら、雨・風・雪・かげろうなどの天候による影響をほとんど受けることがなく、24時間観測をすることができます。

GNSS測量時の誤差要因

実際にICT施工を行うと、同じ場所でも「昼間に測ったときと夕方に測ったときで数値にズレが出てしまう」なんてことがよく起こります。
このズレはなぜ起こってしまうのでしょう?

原因はずばり、電波障害です。
GNSSは仕組み上、受信機が正しく電波を受信できなければ十分な精度を得ることができません。
そのため、以下のような状況で誤差やズレが生じることがあります。

  1. 上空が開けていない・・・観測点の近くに高い木や建物があり電波受信の妨げになっている
  2. 衛星電波の反射・・・建物や看板、山の稜線などが衛星電波を反射してしまっている
  3. 妨害波の影響・・・高圧送電線・大電力レーダーや混信妨害が起きている
  4. 衛星の配置状況や数・・・受信する衛星が適当数でまんべんなく配置されていない

このような理由により、GNSSを活用した測位はまだまだ万能とは言えません。

そこで、期待されるのが我が国の準天頂衛星「みちびき」です。2018年には4機体制で運用開始し、2023年には7機体制が目指されています。その名のごとく、日本の真上あたりを飛んでいるみちびきはGPSとあわせて利用することで、時間帯や場所を選ばず、いつでもどこでも利用できる安定した衛星測位サービスを実現させるものです。

あわせて、従来の測量機(光波など)との組み合わせると、より高精度な計測成果を得ることが出来ます。
使用目的・必要精度にあわせて選択する測量方法はさまざまで、状況によって計測時間・コストも変わるため、現場に合わせた適切な測量方法を選択できるよう、しっかりと仕組みを理解しておきましょう。

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