2022年10月12日(水)に森下建設株式会社(本社:島根県江津市)と当社(ストラテジクスマネジメント株式会社)との共催でICT現場見学会を開催しました。
森下建設が社外向けのICT見学会を開催するのは今回で9回目。
本コラムでは、地元の中学1年生と県職員の方にもご参加いただいたICT現場見学会の様子をレポートします。
はじめての工事現場
ICT現場見学会は、森下建設が施工に携わるICT活用工事としては22現場目となる道路改良工事の現場で開催されました。
地元の中学校1年生10名と先生、そして島根県の県職員の方々を招待しての開催となりました。
この生徒さんたちは、授業で河川工事をテーマに勉強しているとのこと。これまでも、県職員の出前講座や、地元建設会社のドローン飛行の体験会などで土木に触れていたそうです。そんな中、今回の見学会は彼らにとって初めて工事現場に足を運ぶ機会になりました。
ICT現場見学会のスケジュール
- 現場代理人から工事内容の説明
- 土木部長からICT技術の解説
- 杭ナビショベルのデモンストレーション
ICTの魅力は現場の見える化
2016年にi-Constructionの取り組みが発表されて以降、土木部全員でICT施工に取組んできた森下建設。すべての工事現場でICT化を目指し、日々挑戦を続けています。
新聞社や行政機関などから講演を依頼されることも多く、様々な機会でICT普及促進のための発信をされています。
今回は、社外での講演回数も多い青木土木部長が、中学1年生に向けてICT技術の解説。わかりやすい説明の中にも、次世代を担う参加者に向けて熱のこもったメッセージがありました。
– 「答えは一つ。でもその解を導く方法は人それぞれ。柔軟な考え方で仕事をしていくことが大切」
– 「これからの時代は、若い人たちが持っている柔軟な考え方が大切。少しでもこの業界に興味を持ってもらえたらうれしい」
杭ナビショベルの体験
森下建設では現在ICT建設機械を3台保有しています。その中の1台は、今年度に導入した小規模土工でのICT施工のためのICTバックホウ(杭ナビショベル)です。今回の現場見学会内では、杭ナビショベルのデモンストレーションも行いました。
本山現場代理人による杭ナビショベル実演では、生徒さんひとりひとりに建機に乗ってもらい、操作やパネルを間近で見学してもらいました。
杭ナビショベルのパネルには、3次元データ(工事の完成形)が映しだされています。それを見た生徒さんたちは、各々に工事現場での仕事のイメージを思い描いているようでした。
また青木部長の前談の解説により、普段学校で勉強している数学の知識がICT技術の活用をはじめ将来の仕事に役に立つことを実感している様子でした。
身近な工事現場でICTの最先端の技術活用の実感
見学会終了後、参加された中学生の皆さんをはじめ、関係者からは次のようなコメントがありました。
– 「こんなに道路を広くするのにICTや3次元を使って効率良くやっていてすごいと思いました」
– 「僕も一つの概念に捉われずに頑張りたいと思いました。今日はありがとうございました」
後日、先生のコメント(一部抜粋)
– 「現在勉強している座標やこれから学習する√も使われていることに驚いたようで、勉強の大切さも感じたようでした」
– 「都会ではなく桜江町で最先端の技術が多く使われていることは、この地域で生活している生徒にとって、ふるさとの良さを考えるきっかけにもなり、とても大切な学びとなりました」
後日、県職員の声(一部抜粋)
見学会終了後には県職員の方々と意見交換が行われました。
今後の現場での益々の連携に向けて「お互いにICT理解を深めていくことが大事である」と具体的に認識を合わせる機会となりました。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は森下建設株式会社と共催したICT現場見学会の様子をレポートしました。
目の前の生産性向上の取組みだけではなく、業界全体の将来や次世代を担う子どもたちの育成まで見据えた地域での活動がとても大事であることを改めて実感しました。
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