発注者情報-ICTサポート制度
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ICT施工がうまくいかない!?問題点と解決方法【総合マネジメント番外編】

こんにちは。建設ICT.comです。
今回のコラムでは、「土木工事のICT施工が思ったよりうまくいっていない」「効率化が図れず逆効果になっているのでは?」といった声に対して、ICT施工が成功しない理由と解決方法についてお伝えします。

現場サポートで感じること

わたしたちは、以前からOne Man,One Projectのコンセプトのもと、ICT施工に取り組む企業様や現場監督に寄り添いながら、ICT現場のサポートを行っています。
SGMのICT施工サポート実績はこちら

内製化に積極的な企業様がいる一方で、うまくいかなかった経験からICT施工に対して良い思いをしていない企業様や、会社からやれとは言われるけど、どうすればいいのか全くわからず不安な思いをされている現場監督によく出会います。

そのような状況の方々に対して、ICT施工にスムーズに取り組めるようお手伝いをするのが、わたしたちの役割です。

そんなわたしたちが、現場を通して感じているICT施工がうまくいかない理由と問題点を、現場と会社(経営側)の2つの目線でまとめてみました。

現場サポートで感じること

現場目線の問題点

まず、主に現場監督を主体にした現場目線の問題点です。

  • 新たな工法、技術を覚えなければいけないため負担が大きい
  • 現場によって条件が違うため、適切な技術を選択することが難しい
  • 長期間一つの現場に常駐するため、スキルアップするには非効率

毎回現場に入るたびに、元請けの現場代理人や現場監督の方々の業務量の多さや、彼らに精神的な重圧がかかっているのを感じます。

ただでさえ従来管理で手一杯なのに、新しいことにチャレンジする余裕があるかと言われると、現場だけでICT施工に取り組むのは正直難しいのではないかと思います。

会社目線の問題点

次に、現場監督が所属する会社目線の問題点です。

  • 現状では費用対効果が見えにくく、投資判断が難しい
  • ICT人材を社内で育成するには、コストと時間がかかりすぎてしまう
  • 社内のICT経験者が転職するのではないかというリスクがある

ICT施工に取り組むことで得られるメリット、特に利益に関する効果が見えにくいことから、経営資源の投資タイミングのハードルが高くなります。

また、もともと建設業界では、事業を行うための技術やノウハウが、資格を持った個人に依存しがちな傾向があります。そのため、せっかく育てた社員が転職してしまうのではないかと、経営陣が社内の人材育成に対して消極的になってしまう印象を受けます。

会社目線の問題点

解決方法は「助言と技術的指導」

では、これらの問題点はどうやって解決すれば良いのでしょうか。

わたしたちが考える解決方法は「助言と技術的指導」を活用することです。
助言と技術的指導とは、ICT施工のノウハウそのものです。

ICT施工のノウハウが自社に蓄積されている場合は、それを活用していけば確実な実績を重ねていくことができるでしょう。

そうではない場合は、外部に頼る必要があります。すでにノウハウを持っている外部から、助言と技術的指導を受けながらICT施工に取り組めばいいのです。すでにノウハウを持った外部とは、下請け会社を含む協力会社や行政施策のことを指します。

そうすれば、ICT施工の成功体験を重ねながら、現場や会社を可視化して、利益に繋げていくことができるようになり、効率的かつ加速度的にノウハウを蓄積することが可能になります。

総合マネジメントの活用

国土交通省の地方整備局の中には、元請けの建設会社がICT施工の助言、技術的指導を受けられる総合マネジメントという区分の支援制度を設けているところがあります。

この制度を活用することで、施工計画から測量、設計、施工、管理、納品の一連の工程に関する助言、技術的指導を受けることができます。

※総合マネジメントに関するコラム
ICT施工をスムーズに進めるための支援「総合マネジメント」とは【前編】
ICT施工をスムーズに進めるための支援「総合マネジメント」とは【後編】

現在、総合マネジメントの区分を設けた支援制度がある地方整備局は、関東地方整備局、中部地方整備局、中国地方整備局、四国地方整備局です。該当する地域の方は、活用されてみてはいかがでしょうか。

※各地方整備局のICT施工支援制度登録者名簿
関東地方整備局 ICTアドバイザー名簿
中部地方整備局 ICTアドバイザー名簿
中国地方整備局 ICTサポート企業・団体登録名簿
四国地方整備局 ICT専任講師名簿

総合マネジメントの活用

まとめ

今回のコラムでは、なかなかうまくいかないICT施工の取り組みについて、わたしたちが現場で感じる問題点と、その解決方法をお伝えしました。

i-Constructionの推進、ひいてはインフラ分野のデジタルトランスフォーメンション(DX)を加速させるという国の方針を見ると、失敗しながら自分たちでノウハウを構築する時間をかける余裕は、今やもうないのではないかと思います。

ICT施工の助言と技術的指導を受けられる総合マネジメントの活用は、時間を効率的に使うことで、ICT施工のノウハウ蓄積を高速にできる有効な方法ではないでしょうか。

 


わたしたちは総合マネジメントのサポートができる団体として認定・登録されています。
中国ICTサポート企業登録のお知らせ
関東地方整備局ICTアドバイザー認定のお知らせ

上記以外のエリアでも同様のサポートは可能です。
総合マネジメントおよびICT施工に関するサポート内容について、ご不明点がある方はお気軽にお問合せください。

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