前回のコラムでは、ICT施工をスムーズに実現するための支援「総合マネジメント」の概要をご紹介しました。まだ前編をご覧になっていない方は、以下のリンクからご覧ください。
ICT施工をスムーズに実現するための支援「総合マネジメント」【前編】
今回は、当社が「総合マネジメント」のサポートを行う上で大切にしているポイントをお伝えします。
SGMの総合マネジメント3つのポイント
総合マネジメントとは、国土交通省の各地方整備局が独自に制定するICT活用工事の推進と普及を目的とした支援制度が定めるサポート区分の中で、最も包括的な支援を提供する区分です。
経営コンサルティングのノウハウをベースにしたサービス提供をしている当社は、サポート区分の中でも総合マネジメントを得意としています。
わたしたちが提供する総合マネジメントのポイントは次の3つです。
- ICT施工の成功体験
- ICT対象現場の可視化
- ICT活用による利益化
では、それぞれのポイントについて説明します。
ポイント1.ICT施工の成功体験
初めてICT施工に取り組む建設会社にとって、初めての現場で常に最適解を導き出しながら工程を進めていくのは至難の業です。そのため、まずはICT施工に詳しいサポート企業の助言・技術的指導を受けながら、着実に実績を得ることが望ましいでしょう。
「失敗をして、試行錯誤しながらやっていった方がノウハウになるのでは」
という問いに、わたしたちはこう答えます。
「失敗している時間はありません」
i-Constructionの取り組み開始直後の時期であれば話は別ですが、すでに5年目を迎える今ではスピードが遅すぎます。失敗から学ぶには時間とコストがかかります。5年前にそれが可能だったのは限られた会社だけであり、これから取り組む会社にとっては同じやり方ではリスクが高すぎると考えます。
業界過渡期の今、悠長なことを言ってはいられない状況であることは、経営者の方であればお分かりいただけるのではないでしょうか。
また、すでにICT施工の実績がある建設会社にとっても、総合マネジメントの活用は有益です。ICTのような新たな取り組みには、規定の改定や技術開発など目まぐるしい変化が伴い、情報更新頻度が高くなります。そのため、自社だけのノウハウでは対応しきれなくなるケースが出てきます。社外の知見を取り入れ、確実な成功体験を重ねることで、社内のノウハウを効率的かつ加速度的に蓄積することができるのです。
ポイント2.ICT対象現場の可視化
失敗しないためには、まず可視化をすることです。
可視化の対象は、現場、人材、会社などいくつか存在します。
例えば、
- どの工程で何のICT技術を活用するのがベストなのか。従来施工とのバランスはどう取ればよいのか。
- 元請け、下請けといった現場に入る会社が、現時点でどこまでICT施工が実現できるレベルにあるのか。何ができて、何ができないのか。
- 現場に必要なICT建機やソフトウェアが使いこなせる体制かどうか。
などです。
リスク想定ができないままICT施工が動き始めることは、避けなければいけません。わたしたちは、総合マネジメントに限らず、現場をサポートする際には必ず対象を可視化するようにしています。
当サイトでは、建設ICTスキルの簡易診断ができます。
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ポイント3.ICT活用による利益化
ICT施工の成功体験と可視化を繰り返すことで実現できること。
それは、ICT活用による利益化です。
総合マネジメントのような支援制度を活用することで、ICT施工の実績が無い、または浅い建設会社でもICT活用による現場の利益化は実現可能だとわたしたちは考えています。
あらゆる要素を可視化した結果、実現に向けたリソースで不足が生じた場合、わたしたちは工程毎に対応できるサポート企業の紹介、あっせんも行います。(測量会社、設計会社、建機関連会社など)もし、適用するサポート企業が見つからない場合は、わたしたちで対応することも可能です。
施工計画の段階から手間とコストをかけて総合的にマネジメントをすることで、一つ一つの工程で生産性が上がりトータルコストが抑えられた結果、利益化につながると考えます。
地方整備局によっては、この総合マネジメントに対する費用を必要経費として計上できる場合もあります。詳しくは当社までお問合せください。
まとめ
総合マネジメントは、ICT施工実績の有無や数に関わらず、建設会社にとって有益な制度です。成功体験と可視化を繰り返し、現場単位で利益を出し続けることが、生産性向上、経営環境改善、賃金水準向上と安全性の確保といったi-Construction取り組みの実現につながると考えます。
経営コンサルティング会社で測量会社でもある当社は、これまでICT施工に取り組む建設会社様をサポートしてきました。その実績から、中国地方整備局の中国ICTサポート企業、関東地方整備局のICTアドバイザーに認定されています。
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